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女性更年期と男性更年期それぞれの対策法

女性更年期と男性更年期、それぞれの対策法
              日本女性ヘルスケア協会長 鈴木まり

 コロナ禍以降、最も増えた相談内容といえば、男性からの更年期症状についてです。
本日も40代の女性から、「コロナ禍から夫の更年期症状が進行して、一緒にいて疲れてしまう」というご相談を頂きました。
 本人だけでなく、周りにいる家族や職場の方へまでも影響を与えてしまう更年期障害。
 現在どのような治療や予防法があるのか、現代医学と東洋医学、心理学の分野から改めて確認していきましょう。


○更年期障害の可能性があると考えている人の割合は?(厚生労働省HPより抜粋)
 「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」 人の割合は、40 歳代女性で 3.6%、50 歳代女性で 9.1%と、いずれも1割に満たなかった。 一方、更年期障害の可能性があると考えている人(※)の割合は、40歳代女性で28.3%、 50 歳代女性で 38.3%と高くなっていた。
 男性では、「医療機関への受診により、更年期 障害と診断されたことがある/診断されている」人の割合は、40 歳代男性で 1.5%、50 歳代男性で 1.7%であった。 一方で、更年期障害の可能性があると考えている人の割合 は、40 歳代男性で 8.2%、50 歳代男性で 14.3%であった。
(※)「医療機関を受診はしたことがないが、更年期障害を疑ったことがある/疑っている」人、「自分で は気づかなかったが、周囲から更年期障害ではないか、といわれたことがある。

上記を見ると、実際に受診していなくても、なにかしらの不安を抱えている方の割合が多いのが分かります。


○女性の更年期障害と男性の更年期障害の違い

 

○現代医学での治療法

○ 処方される主な漢方
1.八味地黄丸:性機能低下だけでなく、疲労感にも効果があるといわれています。
2.補中益気湯:疲労感や食欲低下などに効果があるといわれています。
3.柴胡加竜骨牡蛎湯:イライラや動悸などの精神症状に効果があるといわれています。

○薬膳での予防
 女性は「陰」に支えられ、男性は「陽」に支えられると考えるのが東洋医学のひとつ、中医学や漢方です。
 また、女性は7の倍数ので、男性は8の倍数の年齢で身体に変化を伴うと考えられています。特に更年期に関しては、女性は42歳ころから「陰」が減ってくる、男性は48歳頃から「陽」が減ってきて更年期症状が現れてきます。
 これを補うのが食事療法、つまり薬膳です。

・女性の為の薬膳食材・・補陰類:海苔、きくらげ、豚肉、豆腐、豆乳、牛乳、ゴマ、ひじき、クコの実、松の実
  →この食材から2種類以上組み合わせてお料理してみてください。
   例)豚肉ときくらげの卵とじ炒め。ソイミルクティにクコの実と松の実トッピング等。

・男性の為の薬膳食材・・補陽類:エビ、ニラ、羊肉、イワナ、クルミ、カボチャ
  →この食材から2種類以上組み合わせてお料理してみてください。
   例)エビとニラ炒めクルミトッピング。イワナの塩焼きとカボチャの煮つけの食べ合わせ等。

 中国の女性は40歳を過ぎると、菊花茶にクコの実と松の実をトッピングしたお茶をよく飲みます。
補陰で組み合わされたお茶です。その他、太極拳などの運動やお友達とのおしゃべりで上手に発散しているので、更年期障害で通院される方はほとんどいないといいます。
 祖先から生活習慣化されてきた文化が、現代においても皆さんの健康を支えているのですね。